肝臓専門医 はやさかクリニック (千葉県木更津市) 肝臓専門医、消化器病専門医、内科認定医のもとで 内科消化器病治療・肝炎治療を:千葉県木更津市にある内科、消化器科のクリニックです。院長は内科認定医、消化器病専門医、肝臓専門医で、親身になって診療いたします。

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千葉県肝炎治療特別促進事業について

千葉県でも、今年4月1日より、「千葉県肝炎治療特別促進事業」(B型及びC型肝炎に対するインターフェロン治療公費負担制度)が開始されております。千葉県疾病対策課感染症対策室のホームページに「」千葉県肝炎治療特別促進事業についてB型及びC型肝炎に対するインターフェロン治療公費負担制度に詳細が記載されております。
体制としては下記のようになっているのだそうです。
「肝疾患ネットワーク」として

千葉県肝炎対策協議会
役割:総合的・体系的な肝炎対策事業の促進のための検討、医師会、専門医、患者、市町村、行政機関の代表者等で構成事務局は疾病対策課
肝疾患診療連携拠点病院(1カ所:千葉大学医学部附属病院
役割:千葉県の肝疾患診療ネットワークの中心的役割、 肝疾患相談センターおよび肝疾患診療連携拠点病院等連絡協議会設置、専門医療機関へ研修・診療支援
専門医療機関(2次保健医療圏に1カ所以上)
役割:地域の医療機関への診療支援指定医療機関への助言・診療支援
指定医療機関
役割:インターフェロン治療導入の判断、診断書発行
契約医療機関
インターフェロン治療に係る医療の提供
契約薬局
インターフェロン治療に係る薬剤の提供

「はやさかクリニック」は指定医療機関で、契約医療機関の契約を現在締結中です。近隣の専門医療機関は「君津中央病院」、「亀田総合病院」、「東病院」、「千葉労災病院」「市原メディカルキュア」で私は必要に応じてこれらの「専門医療機関」の助言、支援を仰ぐ体制との文書をいただきました。
助成対象者は住所地を管轄する保健所に所定の手続きを済まし、申請し、受理されると、受給者証が交付され、指定の指定の期間で、定められた範囲の診療について、助成されます。(詳細は上記URI(URL)で御確認ください。
やや、わかりにくいこともあり、千葉県肝臓友の会(村田 充会長)(県職員は出席されますが、友の会主導の会で努力されております。)では県内6カ所で4月から5月にかけて、各医師会との協力のもとに肝臓専門医による講演および、千葉県疾病対策課職員による制度説明などを予定してくださっております。本日、既にスタートしてしまっておりますが、下記の予定だそうです。

4月26日(土)
15時から17時半、柏市民文化会館小ホール
4月29日(火)
14時から17時、船橋市セミナーハウスクロスウェーブ講堂
5月6日(火)
13時半から16時半、千葉市教育会館大ホール
5月24日(土)
13時半から17時、千葉大学医学部附属病院第一講義室
5月31日
10時から13時、松戸市商工会館大会議室
5月31日(土)
14時から16時半、習志野市モリシアホール

県南については現在、検討中とのことです。以上、1次報告とさせて頂きます。

2008年4月27日 早坂 |

2008年ウイルス性慢性肝炎ガイドライン

平成20年3月1日に経団連会館で厚生労働科学研究費肝炎等克服緊急対策研究公開報告会が開催され、
平成19年度厚生労働省 肝炎等克服緊急対策研究事業
「肝硬変を含めたウイルス性肝疾患の治療の標準化に関する研究班」主任研究者:熊田博光先生の報告
つまり2008年ウイルス性慢性肝炎ガイドラインが発表されました。
今回は「肝硬変を含めた」と明示したガイドラインです。以下の内容を御紹介させていただきます。

ウイルス性肝硬変に対する包括的治療のガイドライン

C型肝炎
発癌抑制を目指した血清ALT正常C型肝炎例への抗ウイルス治療ガイドライン
C型慢性肝炎対する初回治療ガイドライン
C型慢性肝炎対する再治療ガイドライン
C型慢性肝炎の治療(ガイドラインの補足)
B型肝炎
35歳未満B型慢性肝炎の治療ガイドライン
35歳以上B型慢性肝炎の治療ガイドライン
Lamivudine(ゼフィックス)内服中のB型慢性肝炎患者に対する核酸アナログ製剤治療ガイドライン
B型慢性肝炎の治療(ガイドラインの補足-1)
B型慢性肝炎の治療(ガイドラインの補足-2)

2008年4月 4日 早坂 |

発癌抑制を目指した血清ALT(GPT)値正常C型肝炎例への抗ウイルス治療ガイドライン

血小板数15万以上
血清ALT値:30IU/L以下
2-4か月毎に血清ALT値経過観察。
ALT異常を呈した時点で、完治の可能性、発癌リスクを評価し、抗ウイルス療法を考慮。
血清ALT値:31-40 IU/L
抗ウイルス治療の適応
血小板数15万未満
血清ALT値:30IU/L以下
線維化進展例がかなり存在する。
可能なら肝生検を施行し、F2A2以上の例に抗ウイルス療法を考慮。
肝生検非施行例は、2-4ヵ月前毎に血清ALT値を測定し、異常を示した時点で抗ウイルス療法を考慮。
血清ALT値:31-40 IU/L
慢性肝炎治療に準じる※

※遺伝子型、ウイルス量、年齢などを考慮し、通常のC型慢性肝炎治療に準じて治療法を選択する。

2008年4月 4日 早坂 |

2008年:C型慢性肝炎対する初回治療ガイドライン

セログループ1(Genotype 1)
高ウイルス量*
Peg-IFNα2b:ペグイントロン+レベトール(48週間)
Peg-IFNα2a:ペガシス+コペガス(48週間)
低ウイルス量**
IFN(24週間)
Peg-IFNα2a:ペガシス(24-48週間)
セログループ2(Genotype 2)
高ウイルス量*
Peg-IFNα2b:ペグイントロン+レベトール(24週間)
低ウイルス量
IFN(8-24週間)
Peg-IFNα2a:ペガシス(24-48週間)

*高ウイルス量:1 Meq/mL以上、5.0 Log IU/mL以上、300 fmol/L以上
**低ウイルス量:1 Meq/mL未満、5.0 Log IU/mL未満、300 fmol/L未満

2008年4月 4日 早坂 |

2008年:C型慢性肝炎対する再治療ガイドライン

C型慢性肝炎に対してインターフェロンの再治療は初回治療の無効の要因を検討し、治療目的の治療か、進展予防(発癌予防)を目指した血清ALT値の正常化、あるいは安定化のための治療法を選択すべきである。

  1. 初回インターフェロン無効例への再投与はインターフェロン+リバビリン併用療法が、治療の基本である。
  2. リバビリン併用療法の非適応例あるいはリバビリン併用療法で無反応例では、インターフェロンの長期投与が望ましい。なお、インターフェロンα製剤(ペグインターフェロン製剤を除く)は、在宅自己注射が可能。
  3. インターフェロン非適応例およびインターフェロンで血清ALT値の改善が得られない症例は、肝庇護剤(強力ネオミファーゲンC注、ウルソ内服)、瀉血療法を単独あるいは組み合わせて治療する。
  4. 進展予防(発癌予防)を目指した治療の血清ALT目標値は、肝線維化軽度患者(Stage1(F1))では持続的に基準値の1.5倍以下にコントロールする。肝線維化中等度から高度患者(Stage2-3(F2-3))では極力正常値(血清ALT値30IU/L以下)にコントロールする。
  5. リバビリン併用療法を行う場合には、治療効果に寄与する因子である年齢、性別、肝疾患進行度、C型肝炎ウイルスの遺伝子変異(Core領域70,91の置換、ISDR変異)などを参考にし、治療法を選択することが望ましい。

2008年4月 4日 早坂 |

2008年:C型慢性肝炎の治療(ガイドラインの補足)

  1. 1b(セログループ1)、高ウイルス量患者へのペグインターフェロン+リバビリン併用療法投与期間(72週投与)の基準:
    投与開始12週後に、血中HCVRNA量が投与前値の1/100以下に低下するがHCVRNAが陽性(TaqManPCR法)で、36週までに陰性化した例では、プラス24週(トータル72週間)の注射内服治療期間延長が望ましい。
  2. 1b(セログループ1)、高ウイルス量患者へのペグインターフェロン+リバビリン併用療法で、治療開始24週後にHCV RNAが陽性(TaqManPCR法)でも血清ALT値正常化例は、48週まで継続治療を行い、治療終了後の長期血清ALT値正常化維持を目指す。
  3. ペグインターフェロン+リバビリン非適応例・無反応例に対するIFN単独長期療法は、最初の2週間は通常量の連日または週3回間歇投与とし、最大8週間でHCV RNAが陰性化しない症例は通常量の半分量を長期投与する。

2008年4月 4日 早坂 |

2008年:ウイルス性肝硬変に対する包括的治療のガイドライン

  1. 原因ウイルスの駆除及びウイルスの減少により血清ALT値の正常化を目指す。
    a)C型代償性肝硬変:
    1b(セログループ1)・高ウイルス量以外:インターフェロンベータにて、SVR(持続的ウイルス陰性化)・血清ALT値の正常化を目指す。
    b)B型肝硬変
    エンテカビル(バラクルード)にてHBV DNAの陰性化を持続させ血清ALT値の正常化を目指す。
  2. 肝機能の維持(血清ALT値・アルブミン値を改善)し肝発癌の抑制を目指す。
    a)肝庇護剤:SNMC強力ネオミノファーゲンC)、UDCA(ウルソ)、等
    b)分岐鎖アミノ酸製剤:イソロイシン・ロイシン・バリン製剤:リーバクト
    c)瀉血療法
  3. 栄養補助療法(非代償性肝硬変)により肝機能の安定化を目指す。

2008年4月 4日 早坂 |

2008年:35歳未満B型慢性肝炎の治療ガイドライン

治療対象は、血清ALT値30IU/L以上で:
HBe抗原陽性は、HBV DNA量5 log copies/mL以上
HBe抗原陰性は、4log copies/mL以上

HBVDNA量:7 log copies/mL以上
e抗原陽性
①インターフェロン(IFN)長期注射治療(3ヵ月以上)
②エンテカビル(バラクルード)内服
e抗原陰性
①経過観察
②インターフェロン(IFN)長期注射治療(3ヵ月以上)あるいはエンテカビル(バラクルード)内服
HBVDNA量:7 log copies/mL未満
e抗原陽性
IFN長期投与(3ヵ月以上)
e抗原陰性
経過観察
(F2以上の肝線維化進行例にはインターフェロン(IFN),エンテカビル(バラクルード)内服)

2008年4月 3日 早坂 |

2008年:35歳以上B型慢性肝炎の治療ガイドライン

治療対象は、ALT(GPT)≧30IU/Lで:
HBe抗原陽性は、HBV DNA量5 log copies/mL以上
HBe抗原陰性は、4log copies/mL以上

HBVDNA量: 7 log copies/mL以上
e抗原陽性
①エンテカビル(バラクルード)内服
②エンテカビル(バラクルード)内服+IFN長期注射治療(3ヵ月以上)
e抗原陰性
エンテカビル(バラクルード)内服
HBVDNA量: 7 log copies/mL未満
e抗原陽性
①エンテカビル(バラクルード)内服
②IFN長期投与(3ヵ月以上)
e抗原陰性
エンテカビル(バラクルード)内服

2008年4月 3日 早坂 |

2008年:Lamivudine(ゼフィックス)内服中のB型慢性肝炎患者に対する核酸アナログ製剤治療ガイドライン

Lamivudine(ゼフィックス)内服期間 3年未満
HBVDNA量が2.6 log copies/mL未満持続
エンテカビル(バラクルード)0.5mg/日に切り替え可
HBVDNA量が2.6 log copies/mL以上
*BTHなし:**エンテカビル(バラクルード)0.5mg/日に切り替え可
*BTHあり:Adefovir(ヘプセラ) 10mg/日併用
Lamivudine(ゼフィックス)投与期間 3年以上
HBVDNA量に関係なく、BTHなければ
Lamivudine(ゼフィックス)100mg/日を継続
*BTHあれば、Adefovir(ヘプセラ)10mg/日併用

*BTH: breakthrough hepatitis(ブレークスルー肝炎) **ラミブジン変異のないことを確認後内服開始

2008年4月 3日 早坂 |

2008年B型慢性肝炎の治療(ガイドラインの補足-1)

  1. 抗ウイルス療法は、ALT(GPT)値がALT(GPT)≧30IU/Lの場合に考慮する。
    しかし、高齢者やHBe抗原陰性例、抗ウイルス剤の治療が難しい例では肝庇護療法(SNMC(強力ネオミノファーゲンC注)、UDCA(ウルソサン内服)等)で経過をみることも可能である。
  2. 若年(35歳未満)症例では、インターフェロン(IFN)長期注射治療(3ヶ月以上)あるいはEntecavir(バラクルード)内服が原則。
    尚、ステロイド、IFN、核酸アナログの短期併用治療を考慮すること。 ただし組織像の軽い症例では自然経過でのHBe抗原のseroconversionを期待し経過観察することもある。
    (IFN在宅自己注射可能な症例はQOL(生活の質)を考慮して在宅自己注射を推奨する。)
  3. 中高年(35歳以上)症例では、核酸アナログ未使用症例は、Entecavir(バラクルード)が第一選択薬になる。
  4. 母子感染例はIFN抵抗性のことが多く、Entecavir(バラクルード)単独あるいはEntecavir(バラクルード)+IFN連続療法も適応になる。
  5. Lamivudine(ゼフィックス)耐性ウイルスによる肝炎に対しては、Adefovir(ヘプセラ)が第一選択になる。
    組織学的進行例ではHBV DNA量が上昇した時点でAdefovir(ヘプセラ)を開始する。
  6. 肝硬変例および肝細胞癌治癒後の症例も、核酸アナログの治療を行う。

2008年4月 3日 早坂 |

2008年:B型慢性肝炎の治療(ガイドラインの補足-2)

注意
  1. HIVを合併している症例では、エンテカビル(バラクルード)の使用によりHIV耐性ウイルスが出現する可能性があるため、エンテカビル(バラクルード)は使用できない。
  2. HBVDNA量が低値でALT値が正常の例であっても、免疫抑制作用のある薬剤や抗がん剤投与時にはHBV DNA量が上昇して高度の肝障害をきたすことがあるため注意が必要である
    (免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎に対する診療ガイドライン参照)(後日掲載します:早坂)。

2008年4月 3日 早坂 |

ウイルス性慢性肝炎(B型肝炎、C型肝炎)について:はじめに

肝臓病の記事をまとめていきたいと思います。

ウイルス性慢性肝炎の治療・診断について最近出版された3冊のすばらしい本、

慢性肝炎の治療ガイド2006」(日本肝臓学会編)、
患者さんの質問に答える慢性肝疾患診療」(松崎靖司、宜保行雄編著、南山堂)、
やさしいC型肝炎の自己管理」(岡上 武著、医薬ジャーナル社)

の内容を参考、引用させていただきながら、ご紹介させていただきたいと思います。


岡上先生の御本以外は医師向けの本で、表現が医療者側のものになっており、難しくなっています。
まずは、紹介させていただき、随時、用語の説明も含め、わかりやすく、書き直させていただいたり、注を付けさせていただきたいと思います。

皆様のご参考になりますように努力いたします。

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2006年12月31日 早坂 |

1.慢性肝炎の一般的な知識と経過

まとめ

わが国の慢性肝炎の大部分はB型肝炎ウイルス(HBV) C型肝炎ウイルス(HCV)の感染(ウイルス性肝炎) によって引き起こされています。
慢性肝炎の中で、「活動性の慢性肝炎」といわれている状態では長期間を経て肝硬変となり、 肝細胞癌ができやすいことが知られています。

B型肝炎

  • わが国にはB型肝炎ウイルス保有者(キャリア)は約130-150万人おられます。その中で多くの方々は、 非活動性の無症候性キャリアといわれる状態で、経過は比較的良好です。 病状・病変が進行して肝硬変にまでなってしまったり、 肝細胞癌ができてしまう方は、B型肝炎ウイルス保有者(キャリア)の方の内、約1割です。
  • 成人がB型肝炎ウイルスに初めて感染した場合には、通常は急性肝炎となり、慢性化することなく、 B型肝炎ウイルスが体から排除され、治り(治癒し)ます。しかし、 B型肝炎ウイルスの中でも、 ジェノタイプA型のB型肝炎ウイルスなどでは慢性化しやすいことがわかっています。従来、わが国では少なかった、 この種類のB型肝炎ウイルスの感染が、最近はわが国でも見られるようになり、成人B型急性肝炎の慢性化が問題になっています。
  • B型慢性肝炎ではウイルス量が多くなると(10の5.5乗/mLから10の6乗コピー/mL以上)、 ALT(GPT) の上昇を伴う肝炎の活動性がみられ、肝発癌の危険度(リスク)も増大します。
  • B型慢性肝炎では、C型慢性肝炎と異なり、必ずしも肝硬変を経ないでも軽度の肝障害から肝細胞癌が発生することがあります (HBV遺伝子組込みなどが原因)ので 、肝発癌の危険が高い方々(高リスク群)を判断すのがC型慢性肝炎の方々よりも難しく、 慢性肝炎でも十分な注意が必要です。

C型肝炎

  • わが国にはC型肝炎ウイルス保有者(キャリア)の方々は約150-200万人おられますが、 約半数の方々は安定した慢性肝炎の状態とみなされています。一方、ALT(GPT)の上昇を伴う活動性の慢性肝炎の状態では、長期間・ 緩徐に病変・病状が進行して肝硬変になってしまったり、肝細胞癌が発生することが多いのが現状です。
  • C型慢性肝炎では、40-50歳代に安定したALT(GPT)値が続いても、高齢化するに従い病変の進行速度が早まり、 最終的に60歳代後半から70歳代に肝細胞癌に至ることがしばしばあります。
  • C型慢性肝炎では、ウイルス量やウイルス型は肝病変進行にはほとんど影響しないといわれています。 むしろ、 C型肝炎の進行にはALT(GPT)値の高さと、その持続期間とが強く関連するといわれています。
  • C型慢性肝炎で中程度以上の(F2-F3以上の)線維化がみられる進行した肝臓の状態では、ALT(GPT) が低値であっても炎症や線維化が進行することがあります。

2005年12月31日 早坂 |

2.ウイルス性慢性肝疾患に対する治療

まとめ

B型慢性肝炎に対しては、ウイルス量を抑制する治療が有効です。
インターフェロン注射か核酸アナログ製剤の内服を年齢やウイルス量などを目安に選択していただくことになります。

C型慢性肝炎に対しては、ウイルス排除が第一の治療目的ですが、 これが不可能な場合には、インターフェロンを含めALT(GPT)の安定化を目指した治療を受けていただきます。

B型慢性肝炎

  • B型慢性肝炎では、現在のところ、治療によりB型肝炎ウイルスを排除することは困難です。HBe抗原を陰性化させたり、 B型肝炎ウイルスDNAを10の5.5乗コピー/mL以下に安定化させたりすることで肝炎を沈静化させることが目的となります。
  • B型肝炎ウイルスが多くても、ALT(GPT)が正常の症例では治療は不要とされています。
  • B型肝炎ウイルスが増殖する(増えるの)を抑制するための治療法としては、インターフェロン長期療法、核酸アナログ (ラミブジンなど)長期投与があります。 インターフェロンはB型肝炎ウイルスに対しては抗ウイルス効果がやや弱く、 発熱などの副作用を伴う注射による治療ですが、耐性化(効果がなくなるウイルスの出現)は起こりません。
  • ラミブジンは副作用の少ない内服薬で、抗ウイルスも強いのですが、高率に薬剤に対する耐性化が起きることが知られています。 ラミブジン耐性株に対しては、 新しい核酸アナログ製剤(アデフォビルやエンテカビルなど)が続々と開発されています。 インターフェロン治療か核酸アナログ内服かは、 年齢、ウイルス量、肝組織所見などを考慮して治療を選択していきます。
  • B型慢性肝炎に対する長期間の抗ウイルス薬(インターフェロン、ラミブジン)の治療で、肝線維化の進行が抑制され、 肝発癌の抑制も認められるという、信頼できる臨床研究結果(エビデンス)が得られつつあります。

C型慢性肝炎

  • C型慢性肝炎では、インターフェロン治療によりC型肝炎ウイルスを排除することが治療の第一目標となります。
  • わが国で最も多いHCV遺伝子型である1b型・高ウイルス量の状態である(難治性C型肝炎) 患者さんはインターフェロンによる治療に抵抗性ですが、 ペグインターフェロン・ リバビリン併用療法を48週間行うのが最も効果が高いという結果がでています。この併用療法はウイルス排除率が最も良好ですが、 副作用がやや多く、高齢の方(65歳以上)・高血圧・糖尿病合併している方では、特に注意を要します。
  • これ以外のウイルス型や低ウイルス量の患者さんでは、 インターフェロン単独療法や24週間の短期治療でもウイルス排除率が高い結果がでています。
  • インターフェロン治療により、慢性肝炎からの肝発癌抑制、発癌後の肝癌の再発抑制が可能であるとの信頼できる臨床研究結果 (エビデンス)が得られています。
  • インターフェロンでウイルスが排除できない方や高齢の方・合併症を持っておられる方では、ALT(GPT) 低下をもたらす治療法 (インターフェロン少量間歇長期、ウルソ、グリチロン製剤など)が肝炎進行防止、 肝癌発癌防止に役立つとされています。

2004年12月30日 早坂 |