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あなたの肝臓をもっと健康に!

はやさかクリニックでのC型肝炎の治療方針は、

  1. 肝臓癌の発生を防ぐ
  2. 肝炎が肝硬変になることを防ぐ
  3. すでに肝硬変である場合、進行を抑え、合併症への対策に努める

です。 そのために

  1. C型肝炎を正しく診断する (血液検査)
  2. C型肝炎の進み具合を診断する (血液尿検査、腹部超音波検査などの画像検査、内視鏡検査)
  3. C型肝炎の適切な治療法を提案する (主として飲み薬の抗ウイルス薬【インターフェロンフリー治療】)
  4. C型肝炎の治療を受けていただく (主として飲み薬の抗ウイルス薬【インターフェロンフリー治療】)
  5. C型肝炎ウイルスが血液検査で陰性になってからも肝臓癌の発生がないか油断なく見張る
    (血液尿検査と画像検査)
  6. 全ての経過に対して適切な食事や運動など生活上の注意点の提案

といった診療を受けていただきます。



セログループではなく遺伝子型検査が大事です

C型慢性肝炎の治療にあたっては現在のところ、ウイルスがどの型かが治療薬の選択に大切になっています。

健康保険上はセログループという、いわば簡易検査でセログループ1とセルグループ2の二つに診断し、治療方針を立てていきます。判定保留、判定不能という結果もあります。

本当は遺伝子型を調べる方が良いのですが、健康保険外で検査代が自己負担になってしまうので、診療所などでは全員の患者さんには受けていただいておりません。大きな病院では研究費などで患者さんに負担をかけることなく、調べているところが多いようです。

現在の治療薬の段階では、私からは自己負担はかかっても遺伝子型測定を受けられることをお勧めいたします

一般的には

セログループ1は遺伝子型1(1a か1b)

セログループ2 遺伝子型2 (2a か2b)

に対応することになっています。

しかし、これまでに

  1. セログループ1と診断されたけれど、遺伝子型2a であった患者さん
  2. 以前セログープ1と診断されたけれど、念のため、再検したら、判定不能であったため、遺伝子型検査を受けていただいたら、遺伝子型1a であった患者さん
  3. 更には遺伝子型3であった患者さんがおりました。

  1. 最初の患者さんはダクルインザ・スンベプラしか許可になっていなかった時期だったので、薬剤耐性変異検査を受けていただいたら、解析不能という結果でした。 おかしいので遺伝子型検査を受けていただいたら、2aでした。 ダクルインザ・スンベプラは遺伝子型2aには効かないので、待ってソバルディ・コペガスを服用していただきウイルスが駆除できました。
  2. 二人目の患者さんは産科での血液製剤使用後の感染患者さんでしたので、1b1とは限らないとは心配していたので、1aとわかり良かったです。 というのは、ダクルインザ・スンベプラは1bには効くけれど、1aには効かないからです。
  3. 3番目の患者さんについては日本在住の方で遺伝子型3というのも稀だとは思いますが、現在のインターフェロンフリー治療薬の中で日本で認可されているものは遺伝子型3には効果的なものはないので、治療待機状態です。

現在、ギリアド社がどの遺伝子型のC型肝炎にも効果のある薬の臨床試験を進めています。

そのような薬が使える時代になれば、このような心配は不要ですね。

早くそんな時代になってほしいですね。



インターフェロンフリー治療薬の選び方について動画でまとめてみました。

御参考になさっていただけると思います。



インターフェロンフリー治療.png

現在、C型慢性肝炎の治療はインターフェロンフリー治療が中心になっています。

セログループ1(遺伝子型1a、 1b)に対しては

  • ダクルインザ・スンベプラ併用療法
  • ハーボニー
  • ヴィキッラクス

が許可になっており、

セログループ2(遺伝子型2a、 2b)に対しては

  • ソバルディ・リバビリン併用療法

が許可になっています。

2016年2月末での、はやさかクリニックでの治療患者さんは

  • ダクルインザ・スンベプラ併用療法  17名
  • ハーボニー             18名
  • ヴィキッラクス            0名
  • ソバルディ・リバビリン併用療法   13名

となっています。



ダクルインザとスンベプラ患者さんへ.jpg

昨年の秋から保険適用となったC型慢性肝炎のインターフェロンなしの治療、ダクルインザとスンベプラ併用療法。(遺伝子型1のC型肝炎ウイルスに感染している患者さんに適応)

現在、内服中の患者さんの経過は極めて順調でとても嬉しいです。

まだ、10名ほどの患者さんしか、服用していただいておりませんが、全員が血液中のC型肝炎ウイルスが消えております。

患者さんが感じる副作用はほとんどありません。

検査上は、お一人、「肝機能検査値」血清ALT値が一時、軽度上昇しましたが、短期間で改善しました。

まさにインターフェロン治療が主流である時代が終わろうとしていることを実感いたします。

二日前に遺伝子型2のC型肝炎ウイルスに感染している患者さん用の飲み薬、ソバルディの値段も決まり、今後は徐々に、遺伝子型2のC型肝炎ウイルス感染患者さんもインターフェロンなしの治療に変わりそうです。

今後、他にも幾つかの薬が処方できるようになるようです。

高額の医療ながら、C型慢性肝炎の治療が進むのは嬉しいです。

しっかりと対応していきたいと思います。



ダクルインザとスンベプラ.jpgのサムネイル画像

http://nk.jiho.jp/serv.../.../gyosei/article/1226580165316.html...

「厚生労働省は26日に薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を開き、報告事項では、ブリストル・マイヤーズの経口抗ウイルス剤「ダクルインザ錠60mg」(ダクラタスビル塩酸塩)と「スンベプラカプセル100mg」(アスナプレビル)の効能・効果を変更し、インターフェロン(IFN)では治療できない患者にのみ使用できるという"しばり"を解除する。」のだそうです。

確かであれば、インターフェロン治療を希望せず、飲み薬の治療を待っていた患者さんたちが服用できるようになります。

朗報です。



ダクルインザとスンベプラ.jpg

C型慢性肝炎患者さんに対してのインターフェロンなしの飲み薬だけでの治療を木更津のはやさかクリニックでも、いよいよ開始いたしました。 ダクルインザという薬とスンベプラという薬を6か月間毎日飲んでいただく治療法です。

大変効果的であることが知られている治療法ですが、C型慢性肝炎患者さんすべての方が受けられるわけではありません。

日本ではC型肝炎ウイルスには大きくわけて、グループ1とグループ2という2種類がありますが、グループ1のウイルスに感染している患者さんでインターフェロンを含む治療が効かなかったか、ご体調の関係でインターフェロンを含む治療が受けられなかった患者さんへの服用が許可されています。

また、飲み薬だから簡単で安心な治療とも考えられがちですが、様々な注意点もありますので慎重に受けていただくようにしております。

とはいえ、C型慢性肝炎治療の大きな進歩ですね。

多くの方に効果的に受けていただきたいです。



IMG_4057.JPG
みなさま、こんにちは。

はやさかクリニックは、本日から2015年の診療を始めております。

はやさかクリニックの今年の診療の大事なキーワードは "C " です。

ひとつめのC;

今年はC型肝炎治療が大きく変わる年です。 インターフェロンなしの治療の実質元年です。
肝臓専門医としてしっかりと診療を担当させていただきたいと思います。

ふたつめのC;

高濃度ビタミン点滴による癌治療を木更津で安心して受けていただけるように更に努力してまいります。
昨年は遠方まで受けに行かれ不自由している方々の存在を知りました。

おかげさまで高濃度ビタミンC点滴認定医試験にも無事、合格致しましたので、その知識を活かしたいと思います。

みっつめのC;

現在、肥満と脂肪肝を患う方が急増しています。予防と解決には炭水化物(Carbohydrate)の召し上がり方を含めた栄養管理が重要です。 単なる制限の勧めだけではない対処を相談しながら、進めたいと思います。

重点は以上ですが、開院10年めで気を緩めることなく、すべての診療について、再度、勉強しつつ、改善に努める決意です。

よろしくお願い申し上げます。

はやさかクリニック 院長 早坂章



日本肝臓学会.jpg

今日は肝臓専門医からの注意点をひとつ書かせていただきます。

写真は日本肝臓学会ホームページのトップページのスクリーンショットです。
医療関係のみなさまのなかに肝臓学会 理事長 小池和彦先生の新年のご挨拶が掲載されていました。

そのなかで、小池先生は今年はC型肝炎に対する新しい治療が加わり、患者さんに効果があることを期待しておられますが、

 

留意すべきことは、ウイルス排除(SVR)は、HCV感染の治癒ではあるが肝疾患の治癒ではないということです。高齢C型肝炎患者が多いという我が国の特徴からも、SVR後も肝癌発生のリスクはそれなりに残ることを、患者さんによく説明し、指導していく必要があります。

とC型肝炎ウイルスを治療で駆除した後も肝臓癌発生に十分に注意するように書かれています。実際、これまでも、C型肝炎ウイルスが血液検査では検出されなくなってから6年以上後に肝臓癌ができていることが診断されている患者さんたちがおられます。

はやさかクリニックでも、慢性肝炎で線維化が軽い時期に治療成功した方でも6年、肝硬変に近い状態、あるいは肝硬変状態で治療を受け、成功した患者さんでは10年、腫瘍マーカーなどの血液検査と超音波検査、CTあるいはMR検査を定期的に組み合わせて受けていただいています。

患者さんにとっては、ウイルスもいなくなったのに安心できないのか、あるいは、心配しすぎなのではと感じられることもありますが、症状なく、発生・進行していくのが肝臓癌ですので万全な注意は必要です。



3月3日に「H23年度の厚生労働科学研究費肝炎等克服緊急対策研究 公開報告会」があり、2012年のC型慢性肝炎、B型慢性肝炎、ウイルス性肝硬変の治療ガイドライン案が公表されました。

私は出席できませんでしたが、熱心な患者さんが参加され、資料提供してくださいました。

本日はスライドのみ、公開させていただきたと思います。

追って、テキスト化(スライドの写真ではなく文章で)詳細をまとめさせて頂きます。

まずは、C型慢性肝炎についてです。

2012年C型慢性肝炎治療ガイドライン:初回治療

2012年C型慢性肝炎初回治療ガイドライン

2012年C型慢性肝炎治療ガイドライン案2

2012年C型慢性肝炎治療ガイドライン案3

2012年C型慢性肝炎治療ガイドライン4

2012年C型慢性肝炎治療ガイドライン:再治療ガイドライン

2012年C型慢性肝炎治療ガイドライン6

2012年C型慢性肝炎治療ガイドライン7

2012年C型慢性肝炎治療ガイドライン8

2012年C型慢性肝炎治療ガイドライン9

ALT値正常化患者さん用ガイドライン

2012年C型慢性肝炎治療ガイドライン10

治療中止基準

2012年C型慢性肝炎治療ガイドライン11



平成20年度C型慢性肝炎及び肝硬変治療のガイドライン

C型慢性肝炎に対する初回治療のガイドライン 2009

グループ1(遺伝子型1)

  1. 高ウイルス量:5.0LogIU/mL、300fmol/L。1Meq./mL以上
    Peg-IFNα2b:ペグイントロン+レベトール(48-72週間)
    Peg-IFNα2a:ペガシス+コペガス(48-72週間
  2. 低ウイルス量:5.0LogIU/mL、300fmol/L。1Meq./mL未満
    IFN (24週間)
    Peg-IFNα2a:ペガシス (24-48週間)

グループ2(遺伝子型2)

  1. 高ウイルス量:5.0LogIU/mL、300fmol/L。1Meq./mL以上
    Peg-IFNα2b:ペグイントロン+レベトール(24週間)
  2. 低ウイルス量:5.0LogIU/mL、300fmol/L。1Meq./mL未満
    IFN (8-24週間)
    Peg-IFNα2a:ペガシス (24-48週間)


C型慢性肝炎の治療 (ガイドラインの補足)

  1. Genotype1、高ウイルス症例へのPeg-IFN+Ribavirin併用療法の投与期間延長(72週間投与)の基準:投与開始12週後にHCVRNA量が前値の1/100以下に低下するが、HCVRNAが陽性(Real time PCR法)で、36週までに陰性化した症例において、プラス24週(トータル72週間)の投与期間を延長する。
  2. Genotype1、高ウイルス症例へのPeg-IFN+Ribavirin併用療法で、投与開始36週後にHCVRNAが陽性(Real time PCR法)でもALT値が正常化例は、48週まで継続治療を行い、治療終了後の長期ALT値正常化持続を目指す
  3. Peg-IFN+Ribavirin非適応例・無反応例に対するIFN単独長期療法は、最初の2週間は通常量の連日または週3回間歇投与とし、最大8週間でHCVRNAが陰性化しない症例は通常量の半分量を長期投与する。


C型慢性肝炎に対する再治療のガイドライン 2009

C型慢性肝炎に対するIFNの再治療は初回治療での無効の要因を検討し、治癒目的の治療か、進展予防(発癌予防)を目指したALT値とAFP値の正常化あるいは安定化のための治療法を選択すべきである。

  1. 初回IFN無効例への再投与はIFN+Ribavirin併用療法が、治療の基本である。
  2. Ribavirin併用療法の非適応例あるいはRibavirin併用療法で無反応例では、IFNの長期投与が望ましい。なお、IFNα製剤(Peg製剤を除く)は在宅自己注射が可能。
  3. IFN非適応例およびIFNでALT値、AFP値の改善が得られない症例は肝庇護剤(SNMC、UDCA)、瀉血療法を単独あるいは組み合わせて治療する。
  4. 進展予防(発癌予防)を目指した治療のALT目標値はstage1(F1)では、持続的に基準値の1.5倍以下にcontrolする。Stage2-3(F2~F3)では、極力正常値 ALT≦30IU/Lにcontrolする。
  5. Ribavirin併用療法を行う場合には治療効果に寄与する因子である、年齢、性別、肝疾患進行度、HCVウイルスの遺伝子変異(Core領域70、91の置換、ISDR変異) Real time PCR法によるウイルス量などを参考にし、治療法を選択することが望ましい。