Skip to content
あなたの肝臓をもっと健康に!

残念な投稿です。

糖尿病の治療に通院中の患者さんが、少し歩くと足がしびれたり、痛むという症状を数年前からお話しておりました。

動脈硬化のために足の動脈が狭くなったり、詰まっている疑いがあり、診察の上、血管の詰まり具合がわかる検査(ABIという足関節と上腕の血圧の比を計算し、またCAVIという血管硬度【血管年齢】のわかる検査)を受けていただきました。

CAVIABI測定機器.jpeg

この検査でも動脈の狭窄(狭くなっているか、閉塞)が強く疑われました。血管内科外科受診を何度も伝え続け、数年経ち、やっと受診され、CTを受けていただいたところ、写真のような左右両足に血液を送る腸骨動脈が完全閉塞しておりました。

閉塞性動脈硬化症(ASO)という病気です

ASO.jpg

今後、カテーテル治療か外科治療を受けられる事になると思います。

検査はきちんと受け、検査結果はしっかりと受け止め、早めに対処しましょうね。



low-carbo-GL-book.jpg最近は「糖質制限食」「炭水化物制限食」を多くの方が実行されていますが、

このNPO法人日本ローカボ食研究会 灰本 元先生編著の「ゆるやかな糖質制限食による2型糖尿病治療ガイドライン2016」は冷静に「糖質制限食」についてまとめてあり、大変参考になり役に立ちます。

前著「正しく知る糖質制限食」も多くの資料を通じて糖質制限食について理解を深めさせてくれました。

今後の糖尿病治療に活かしていきたいです。



人工甘味料スライド.jpg

減量しよう、糖尿病を良くしようと思って、普通のコーラをやめて、ダイエット・コーラにしているのに、かえって体重が増えているなとか、なんか糖尿病が悪化しているな、と感じたことのある方はいませんか?

どうも本当に人工甘味料を含む飲料で一部の方は糖尿病気味になることがあるようです。

これまでも同様なことは注意されていましたが、機能性医学会のニュースレター、FUNCTIONAL MEDICINE CONNECTIONS 2014年 10月号に注目すべき記事が" Hot Topic"として紹介されていましたので御紹介致します。

題して、「人工甘味料は腸内細菌を変えて糖尿病を引き起こす」です。

diet-cola.jpg

いくつかの研究結果は"ダイエット"食品や"ダイエット"飲料(コーラやクッキーなど)を飲食していると減量ではなく体重増加を起こす場合があることを示唆しています。 この結論には異論の研究もありますが、少なくとも一部の人では人工甘味料と低カロリーのものを食べているのにどうして体重増加やメタボリックシンドロームが見られるのかは謎です。

 少なくともひとつの研究ではダイエット食品を食べている人は食べていない人に比べ、全体としては多くのカロリーをとっていることがわかったそうです。こういう方は食事の総カロリーが多いからと納得できますよね。 でもそうではない方もいます。

最近の新しい興味深い研究結果によると、ダイエット食品に含まれる人工甘味料自体が耐糖能異常(メタボリックシンドロームや体重増加に通じる)を引き起こす可能性が示唆されています。

 この研究はNatureのオンライン版に掲載されました。

著者らはマウスに3種類の人工甘味料(アスパルテーム、スクラロース、サッカリン)を飲水に混ぜて与え検討しました。そうしたら、どの人工甘味料入りの水を飲んだマウスでもブドウ糖や果糖を溶かした水を飲んでいるマウスに比べ、血糖が高くなりました。砂糖以外の甘味料の入った水を飲んでいたマウスは糖尿病予備軍になってしまいました。人工甘味料は体内で消化、吸収されないので、研究者は腸内細菌に変化があったのではないかと狙いを定め、マウスに抗生物質を飲ませてから再検討しました。すると、なんと、狙い通り、糖尿病予備軍にはなりませんでした。 (アスパルテームはダイエットコーラや缶コーヒーなどに、スクラロースはシュガーカットなどに使われています。)

腸内細菌との関連を、更に研究を進めるために、サッカリン水を飲んでいたマウスの腸内細菌を、生まれつき腸内細菌のいないマウスに移したところ、糖尿病予備軍になりました。また、人工甘味料水をのんでいたマウスの腸内細菌の遺伝子検査をしたところ、これまで、糖尿病、糖尿病予備軍と関連している遺伝子が過剰に発現していました。

では、ヒトではどうかということで、7人の健康人(ボランティア)に6日間、サッカリンを可能な限り食べてもらいましたところ、4人に血糖異常(耐糖能異常、糖尿病予備軍)がおこりました。解析の結果、この4人の腸内細菌叢はおこさなかった3人とは異なりました。つまり、食事の影響は個人個人で異なるようです。(pont to the personalized nature of our food responses and the need to understand this personalized effect)

metabo-bara.jpgのサムネイル画像

次に、耐糖能異常をおこした人の腸内細菌を、生まれつき腸内細菌のいないマウスに移したところ、耐糖能異常をおこしました。一方、耐糖能異常をおこさなかった人の腸内細菌を移しても耐糖能異常はおきませんでした。(耐糖能を起こした4人のサッカリンを飲む前の腸内細菌でもおこしませんでした)


最後に糖尿病ではない381人のボランティアの方で長期にわたる人工甘味料摂取の影響を観察したところ、肥満と耐糖能異常と関連していることがわかりました。

他の研究成果でも同様なのか、今後も注意したいと思いますが、人工甘味料は要注意です。

また、腸内細菌の健康への影響を再認識する研究成果でした。



生活習慣病」(代表的な病気として高血圧、糖尿病、 脂質異常症、 高尿酸血症、 痛風、 骨粗鬆症、動脈硬化など)は文字通り「生活習慣」の乱れが主な原因とされている病気です。

具体的には、食事、運動、睡眠、ストレス軽減を含めた休養、環境改善などが健康回復への課題です。

診療方針としては、

  • 「病気」の診断後、どの「生活習慣」をどのように改善・見直ししたら健康回復ができるかを患者さんと一緒に考えていくことを第一にしています。
  • 改善が困難な場合や御仕事などの関係で改善に時間がかかる場合は薬などの治療を開始しつつ、「生活習慣」改善をはかり、体調改善・健康回復を目指します
  • そのための食事や栄養相談、運動の進めも適宜アドバイスさせていただきます
  • お勧めの基本は現在も勉強中の「機能性医学」や「分子整合栄養医学」の知識を御紹介させていただきます。