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あなたの肝臓をもっと健康に!

エンテカビル治療、ラミブジン治

1.作用

エンテカビル、ラミブジンは抗ウイルス作用を持つ飲み薬(経口薬)で、ウイルス遺伝子であるDNA(デオキシリボ核酸)の材料となる物質に似た構造を持っているため「核酸アナログ」と呼ばれています。
 B型肝炎ウイルス(HBV)のDNA合成を阻害する作用があるため、ウイルスの増殖を抑制します。セロコンバージョンが起こる割合はインターフェロンと比べ高いわけではありませんが、ウイルス量を減らす作用が強く、また、副作用もインターフェロン療法と比較して少ないとされています。

2.副作用・注意事項

副作用として比較的多いのは、頭痛倦怠感です。

 その他は少ないとされていますが、副作用によっては治療を中止しなければならないものもあるため、体に異常を感じた場合はすぐに医師に相談しましょう。

 また、治療中止後に肝機能が悪化する事例があるため、自分の判断で薬をやめたりせず、治療終了後もしばらくの間は定期的に検査を受ける必要があります。

 ラミブジン治療を長期間行うと、ラミブジンの効かないウイルス(ラミブジン耐性株)が高頻度(1年で約20%)に出現し、改善していた肝機能値が再び悪化することがあります。

 その場合は、ラミブジン治療を続けながらアデホビル治療の追加を開始するか、あるいはエンテカビル治療への変更が検討されます。アデホビルもウイルスの増殖を抑制する抗ウイルス作用のある経口薬です。

 一方、エンテカビルのウイルスが増えるのを抑える作用(抗ウイルス作用)は高く、ラミブジンを1とすると、約1,500という研究結果が得られています。
また、エンテカビルの効かないウイルス(エンテカビル耐性株)の出現も、ラミブジンよりも低いとされています。また、ラミブジン耐性株に対しても効果があります。

 エンテカビル、ラミブジンとも胎児への影響が懸念されているため、治療中は男女とも避妊をする必要があります。



具体的な治療方針は毎年、厚生労働省から発表される、「治療ガイドライン」を参考に進めていきます。このサイトでは毎年、最新ガイドラインを別のページに紹介しておりますので、参考にしてください。ここでは、原則を書かせていただきます。

1.B型慢性肝炎、35歳未満の場合

自然経過でセロコンバージョンが起きることが期待でき、また治療中の妊娠に対する影響を考慮して、基本的には経過観察が行われます。

しかし数ヵ月間の経過観察を行っても、セロコンバージョンが起きず、肝炎が活動性である場合は治療が検討されます。

 治療法としては、インターフェロン療法、ステロイドリバウンド療法が行われます。
 エンテカビルやラミブジンなどの内服の抗ウイルス剤はウイルスそのものを死滅させる薬ではなく、ウイルスが増えるのを抑えておく薬ですので、中止をする時期を決めるのが困難です。そのため内服を始めると、長期間服用する必要が生じることが多くなります。
 そこで、エンテカビル、ラミブジンは胎児への影響が懸念されているため、妊娠(を望む)可能性のあるこの年代ではなるべく使用を避けます。

 またラミブジン治療を長期間行うと、ラミブジンの効かないウイルス(ラミブジン耐性株)の出現が問題となるため、急性増悪による肝予備能の低下、重症あるいは劇症肝炎の場合を除きなるべく使用を控えます。

 35歳未満でHBe抗原陰性(-)ならびに肝機能に特別な異常がなければ、経過観察を続けます。

2.B型慢性肝炎、35歳以上の場合

セロコンバージョンが起こる可能性が低く、肝硬変へ進行する可能性が高い場合、エンテカビルあるいはラミブジン治療を行い、肝機能の正常化、HBV増殖抑制を目指し、肝硬変、肝臓癌への進行を阻止します。

しかし、ラミブジン治療を長期間行うと、ラミブジン耐性株が高頻度に出現し肝炎が再び起きる事例が多く、その場合にはアデホビル治療の追加、あるいはエンテカビル治療への変更が検討されます。

 エンテカビルの抗ウイルス作用は高く、ラミブジンを1とすると、約1,500という薬理試験の結果が得られています。エンテカビルの効かないウイルス(エンテカビル耐性株)の出現も低いとされています。また、ラミブジン耐性株に対しても効果があります。