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あなたの肝臓をもっと健康に!

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まとめ

B型慢性肝炎に対しては、ウイルス量を抑制する治療が有効です。
インターフェロン注射か核酸アナログ製剤の内服を年齢やウイルス量などを目安に選択していただくことになります。

C型慢性肝炎に対しては、ウイルス排除が第一の治療目的ですが、 これが不可能な場合には、インターフェロンを含めALT(GPT)の安定化を目指した治療を受けていただきます。

B型慢性肝炎

  • B型慢性肝炎では、現在のところ、治療によりB型肝炎ウイルスを排除することは困難です。HBe抗原を陰性化させたり、 B型肝炎ウイルスDNAを10の5.5乗コピー/mL以下に安定化させたりすることで肝炎を沈静化させることが目的となります。
  • B型肝炎ウイルスが多くても、ALT(GPT)が正常の症例では治療は不要とされています。
  • B型肝炎ウイルスが増殖する(増えるの)を抑制するための治療法としては、インターフェロン長期療法、核酸アナログ (ラミブジンなど)長期投与があります。 インターフェロンはB型肝炎ウイルスに対しては抗ウイルス効果がやや弱く、 発熱などの副作用を伴う注射による治療ですが、耐性化(効果がなくなるウイルスの出現)は起こりません。
  • ラミブジンは副作用の少ない内服薬で、抗ウイルスも強いのですが、高率に薬剤に対する耐性化が起きることが知られています。 ラミブジン耐性株に対しては、 新しい核酸アナログ製剤(アデフォビルやエンテカビルなど)が続々と開発されています。 インターフェロン治療か核酸アナログ内服かは、 年齢、ウイルス量、肝組織所見などを考慮して治療を選択していきます。
  • B型慢性肝炎に対する長期間の抗ウイルス薬(インターフェロン、ラミブジン)の治療で、肝線維化の進行が抑制され、 肝発癌の抑制も認められるという、信頼できる臨床研究結果(エビデンス)が得られつつあります。

C型慢性肝炎

  • C型慢性肝炎では、インターフェロン治療によりC型肝炎ウイルスを排除することが治療の第一目標となります。
  • わが国で最も多いHCV遺伝子型である1b型・高ウイルス量の状態である(難治性C型肝炎) 患者さんはインターフェロンによる治療に抵抗性ですが、 ペグインターフェロン・ リバビリン併用療法を48週間行うのが最も効果が高いという結果がでています。この併用療法はウイルス排除率が最も良好ですが、 副作用がやや多く、高齢の方(65歳以上)・高血圧・糖尿病合併している方では、特に注意を要します。
  • これ以外のウイルス型や低ウイルス量の患者さんでは、 インターフェロン単独療法や24週間の短期治療でもウイルス排除率が高い結果がでています。
  • インターフェロン治療により、慢性肝炎からの肝発癌抑制、発癌後の肝癌の再発抑制が可能であるとの信頼できる臨床研究結果 (エビデンス)が得られています。
  • インターフェロンでウイルスが排除できない方や高齢の方・合併症を持っておられる方では、ALT(GPT) 低下をもたらす治療法 (インターフェロン少量間歇長期、ウルソ、グリチロン製剤など)が肝炎進行防止、 肝癌発癌防止に役立つとされています。