抗ウイルス療法とは、薬によりウイルスの増殖を抑えることを目的としています。
主に、インターフェロン療法、エンテカビル治療、ラミブジン治療、ラミブジン+アデホビル治療があります。
インターフェロン療法
1.作用
インターフェロンとは、ウイルスの感染を受けた時などに体内で作られる蛋白質の一種です。肝炎の患者さんでは、ウイルスを追い出すためには、自然なインターフェロンだけでは、不十分ですので、人工的に生産したインターフェロンを体外から注射によって補って治療に用いるのが、インターフェロン療法です。
インターフェロンの主な作用として抗ウイルス作用だけでなく、免疫増強作用、抗腫瘍作用などが知られています。
B型肝炎の場合は、20~30%の人に効果があらわれるとされています。
2.副作用と注意すべき事項
インターフェロンの副作用として主なものを紹介しますが、使用するインターフェロンの種類によって副作用の出る時期は多少異なります。
注射を受け始めてから1~2週間後に、「38℃以上の発熱、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感」といったインフルエンザのような症状があらわれます。
更に治療開始から3週~3ヵ月後に、うつ症状や不眠などの精神症状がみられることがあります。うつ症状がひどくなった場合、自殺につながる危険性があるため注意が必要です。 しかし、うつ状態になる頻度はそれほど、高くはありません。
その後、治療開始から3ヵ月後前後から、脱毛を生じることがあります。びっくりされる患者さんも多いですが、インターフェロン治療が終了すると回復します。
その他、血小板や顆粒球の減少、発疹、食欲不振などさまざまな副作用がおこることがあります。
副作用によっては治療を中止しなければならないものもあるため、体に異常を感じた場合はすぐに医師に相談しましょう。また、インターフェロン療法中に小柴胡湯(しょうさいことう)という漢方薬も併せて飲みますと、痰のない咳がでて、急速に息が苦しくなる、間質性肺炎という病気(油断すると命を落とすこともある)が起きる危険性があるため禁止されています。