B型肝炎の治療は、大きく分けて、
- 抗ウイルス療法(インターフェロン療法、エンテカビル治療、ラミブジン治療、ラミブジン+アデホビル治療)
- 肝庇護療法
- 免疫療法(ステロイドリバウンド療法など)
があります。
B型急性肝炎の場合は、一般に肝庇護療法により、ほとんどの人は治癒します。しかし、B型急性肝炎を発症した人では、劇症肝炎になり死亡する危険性もまれにあるため注意が必要です。
B型慢性肝炎の場合は、ウイルスを体から排除することは、なかなか難しく、治療の目的は「ウイルスの増殖を低下させ、肝炎を沈静化させること」となります。
しかし、わかりにくい話ですが、B型慢性肝炎を発症したからといって必ずしもすぐに治療を始めなければならないというわけではありません。
というのも、いわゆる治療をしなくても自然にセロコンバージョン(「B型肝炎とは」に説明があります)が起こって肝炎が沈静化することが期待できる場合もあるからです。
治療開始の判断は、年齢(35歳を境目とする)、ウイルス量、炎症や線維化の程度などを検討・評価し、決定していきます。
その結果、セロコンバージョンが起こる可能性が低く、肝硬変へ進行する可能性が高い場合、基本的には、肝炎の進行度が新犬山分類(別に説明します)でF2あるいはA2以上の場合に治療が検討されます。
このように、"肝臓の状態"を正しく見極めることが治療法を決めるのにとても大切になります。