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あなたの肝臓をもっと健康に!

2017年明けましておめでとうございます。

今年は酉年で私も4月で60歳になります。
写真はスターバックスのニューイヤートリベアリスタと一緒の写真です。

勉強を怠ることなく、皆様の病気の診断・治療、また健康改善の助けとなれるように努力致します。

よろしくお願い申し上げます。

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今年はウイルス性肝疾患(B型肝炎・C型肝炎)・自己免疫性肝疾患の患者さんだけでなく特に脂肪肝の患者さんに適切なアドバイスをお伝えしていきたいと思います



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B型肝炎治療の薬は、

  1. 飲み薬:核酸アナログ
  2. 注射薬:インターフェロン

に分けられます。

核酸アナログで現在、日本で使われている薬は、ラミブジン(ゼフィックス)とアデフォビル(ヘプセラ)とエンテカビル(バラクルード)の3種類があります。海外では他にも数種類が使われていますが、中でも重要な薬がテノフォビルです。 臨床試験が日本国内でも進み、もうすぐ、日本でも使えるようになるそうです。 3月1日発表の熊田先生のガイドライン説明でも名前が出てきています。

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テノフォビルはエンテカビルと同程度のB型肝炎ウイルス抑制効果があるデータが発表されておりますが、今回、HBe抗原陽性でHBVDNAの多い患者さんでは、テノフォビルの方がエンテカビルよりもウイルス抑制が早く確実であるという報告が、

Aliment Pharmacol Ther. 2014 Mar;39(6):629-37. doi: 10.1111/apt.12629. Epub 2014 Jan 27.

に出ておりました。

PubMedで抄録が読めます。

抄録

背景:テノフォビルとエンテカビルの2剤はB型慢性肝炎治療の第1選択薬となっているが、直接的な効果比較の研究は少ない。

目的:血清HBVDNA量が多い(6logIU/mL以上と定義)B型慢性肝炎患者さんで始めて核酸アナログ治療受ける場合のテノフォビルとエンテカビルの効果を比較

方法:2009年から2012年の間にカルフォルニア北部の肝臓消化器科クリニックを受診した成人B型慢性肝炎患者さんに関するレトロスペクティブな多施設コホート研究を実施した。

結果:テンフォビル群59名、エンテカビル群216名による検討。治療前の両群の特徴に差はなかった。HBe抗原陰性患者群ではHBV要請についてエンテカビル群とテノフォビル群の間に差は認められなかった。(P=0.72)対象的にHBe抗原陽性患者さんの群では、テノフォビル治療群がエンテカビル治療群よりも有意に早くHBV抑制を達成した。(P<0.0001)カプランマイヤー法では、HBVの完全な抑制率は6か月後で18%対11%、12か月後で51%対28%、18か月後では72%対39%であった。 Coxハザードモデル多変量解析方ではテノフォビル治療群はエンテカビル治療群に対してHBe抗原陽性患者群に限り優位にHBウイルスを抑制した。(HR = 2.59; 95% CI 1.58-4.22; P < 0.001).

結論:テノフォビルはHBe抗原陽性で血清HBVDNA(6logIU/mL以上)が多い患者さんの治療においてエンテカビルに比べて優位にウイルスの完全抑制達成に効果的である。



2009年3月7日に
「平成20年度厚生労働科学研究費肝炎等克服緊急対策研究 公開報告会」が開催され、日本の最新ガイドラインが発表されました。
まだ、私は内容を咀嚼しきれていませんし、英語を日本語にした方が良いですが、早速、公開させていただきます。

正式には
平成20年度厚生労働省厚生科学研究費 肝炎等克服緊急対策研究事業(肝炎分野) 肝硬変を含めたウイルス性肝疾患の治療の標準化に関する研究班の発表で、専門用語の羅列になってしまいますが、

肝硬変を含めたウイルス性肝疾患の治療の標準化に関する研究

平成20年度共同研究テーマ

C型肝炎

  1. Peg-IFN+Ribavirin併用療法48週vs72週の治療効果の比較
  2. 肝硬変のIFN単独療法(Ribavirin併用療法)の治療効果
  3. C型肝疾患の治療法のクリティカルパスの作成

B型肝炎

  1. HBV Genotype別にみたIFN治療効果の検討
  2. B型肝硬変の各種核酸アナログ製剤使用中の発癌例の検討
  3. B型慢性肝炎の各種核酸アナログ製剤中止例の予後
  4. de novo B型急性肝炎の臨床学的特徴および発症後の予後(継続)


HBVにはその遺伝子型(ジェノタイプ)によって、AからHまでの8つのタイプがあります。

注意:これらのジェノタイプCジェノタイプAとはB型肝炎ウイルスの種類のことで、C型肝炎を引き起こすC型肝炎ウイルスやA型肝炎を引き起こすA型肝炎ウイルスのことではありません。!

日本では、つい最近までは、ジェノタイプCHBVに感染した人が多くみられていました。

ジェノタイプCHBVは成人になって感染した場合、肝炎が慢性化する(6か月以上の肝炎)可能性はきわめて低いことが知られています。しかし最近では、欧米に多いジェノタイプAHBVに感染した人が日本でも増加しているとの報告があります。

ジェノタイプAHBVに成人が感染すると、6か月以内に治らず(治癒せず)、肝炎が慢性化することがあります。

HBVのジェノタイプ

ジェノタイプ:分布(感染が多い地域)
A:ヨーロッパ、北アメリカ、中央アフリカ
B:インドネシア、ベトナム、台湾
C日本、中国、朝鮮半島
D:地中海沿岸、インド
E:アフリカ
F:アメリカ先住民、ポリネシア諸島
G:アトランタ(アメリカ)、リヨン(フランス)
H:詳細不明